特定元方事業者等の責任と義務 of 労働安全衛生法のポイント

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特定元方事業者等の責任と義務

※ 特定元方事業者については、LinkIcon元方事業者と特定元方事業者の定義とはをご覧ください。

特定元方事業者等の講ずべき措置

 特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が一か所で行われることによって生ずる労働災害を防止するために、次の事項に関する必要な措置を講じなければなりません。

  1. 協議組織の設置及び運営を行うこと。
  2. 作業間の連絡及び調整を行うこと。
  3. 作業場所を巡視すること。
  4. 関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと。
  5. 建設業の特定元方事業者は、仕事の工程に関する計画及び作業場所における機械、設備等の配置に関する計画を作成するとともに、その機械、設備等を使用する作業に関して、関係請負人が労働安全衛生法令の規定に基づき講ずべき措置についての指導を行うこと。
  6. その他、労働災害を防止するため必要な事項

協議組織の設置及び運営

 協議組織の設置及び運営については、
① 特定元方事業者及びすべての関係請負人が参加する協議組織を設置すること。
② その協議組織の会議を定期的に開催すること。

 また、関係請負人は、特定元方事業者が設置する協議組織に参加しなければなりません。

作業間の連絡及び調整

 特定元方事業者は、随時、特定元方事業者と関係請負人との間や関係請負人相互間における連絡及び調整を行なわなければなりません。

作業場所の巡視

 特定元方事業者は、毎作業日に少なくとも1回、巡視を行なわなければなりません。

 また、関係請負人は、特定元方事業者が行なう巡視を拒み、妨げ、又は忌避してはなりません。

教育に対する指導及び援助

 特定元方事業者は、労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助については、その教育を行なう場所の提供、その教育に使用する資料の提供等の措置を講じなければなりません。

関係請負人の講ずべき措置についての指導

 特定元方事業者は、関係請負人の講ずべき措置についての指導については、次のように行う必要があります。

  1. 機体重量が3トン以上の整地・運搬・積込み用機械(ブル・ドーザー、モーター・グレーダー、トラクター・ショベル、ずり積機、スクレーパー、スクレープ・ドーザーなど)、機体重量が3トン以上の掘削用機械(パワー・ショベル、ドラグ・ショベル、ドラグライン、クラムシェル、バケット掘削機、トレンチャーなど)、機体重量が3トン以上の基礎工事用機械(くい打機、くい抜機、アース・ドリル、リバース・サーキュレーション・ドリル、せん孔機、アース・オーガー、ペーパー・ドレーン・マシンなど)、機体重量の3トン以上の締固め用機械(ローラーなど)、コンクリート打設用機械(コンクリートポンプ車など)、機体重量が3トン以上の解体用機械(ブレーカなど)を使用する作業に関して、関係請負人が定める車両系建設機械の作業計画が、仕事の工程に関する計画に適合するように指導すること。
  2. つり上げ荷重が3トン以上の移動式クレーンを使用する作業に関して、関係請負人が定める作業方法等の決定内容が、仕事の工程に関する計画に適合するように指導すること。

クレーン等の運転についての合図の統一

① 特定元方事業者は、その労働者や関係請負人の労働者の作業が一か所で行われる場合に、その作業がクレーン等(クレーン、移動式クレーン、デリック、簡易リフト又は建設用リフトで、クレーン則の適用を受けるもの。)を用いて行うものであるときは、そのクレーン等の運転についての合図を統一的に定めて、これを関係請負人に周知させなければなりません。

② 特定元方事業者及び関係請負人は、自ら行なう作業についてクレーン等の合図を定めるときは、統一的に定められた合図と同じものとしなければなりません。

事故現場等の標識の統一等

① 特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が一か所で行われる場合に、その場所に次の事故現場等があるときは、その事故現場等を表示する標識を統一的に定めて、これを関係請負人に周知させなければなりません。

  1. タンク等の内部で有機溶剤業務を行うときに、排気装置等の故障などの事故が発生した場合、労働者を立ち入らせてはならない事故現場
  2. 圧気工法による作業を行うための作業室又は高圧室内業務に従事する労働者が使用する気閘室
  3. 放射線業務の管理区域、放射線装置室、立入禁止場所又は放射線漏れの区域
  4. 酸素欠乏危険場所又は労働者を退避させなければならない場所

② 特定元方事業者及び関係請負人は、その場所において自ら行なう作業に関する事故現場等についても、統一的に定められた標識と同じものによって明示しなければなりません。

③ 特定元方事業者及び関係請負人は、その労働者のうち必要がある者以外の者を事故現場等に立ち入らせてはなりません。

有機溶剤等の容器の集積箇所の統一

① 特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業を一か所で行う場合に、その場所に次の容器が集積されるときは、その容器を集積する場所を統一的に定めて、これを関係請負人に周知させなければなりません。

  1. 有機溶剤等を入れてある容器
  2. 有機溶剤等を入れてあった空容器で有機溶剤の蒸気が発散するおそれのあるもの(屋外のみ)

② 特定元方事業者及び関係請負人は、その場所にその容器を集積するときは、統一的に定められた場所に集積しなければなりません。

警報の統一等

① 特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業を一か所で行うときは、次の場合に行なう警報を統一的に定めて、これを関係請負人に周知させなければなりません。

  1. その場所にあるエックス線装置に電力が供給されている場合
  2. その場所にある放射性物質を装備している機器によって照射が行なわれている場合
  3. その場所において発破が行なわれる場合
  4. その場所において火災が発生した場合
  5. その場所において、土砂の崩壊、出水、なだれが発生した場合又はこれらが発生するおそれのある場合

② 特定元方事業者及び関係請負人は、その場所において、エックス線装置に電力を供給する場合、機器によって照射を行なう場合、発破を行なう場合は、統一的に定めた警報を行なわなければなりません。

 また、その場所において、火災が発生したこと、土砂の崩壊、出水、なだれが発生したこと、これらが発生するおそれのあることを知ったときも、同様です。

③ 特定元方事業者及び関係請負人は、①の3.から5.の場合に、②の警報をおこなったときは、危険がある区域にいるその労働者のうち必要がない者を退避させなければなりません。

避難等の訓練の実施方法等の統一等

① 特定元方事業者は、ずい道等の建設の作業を行う場合や土石流危険河川で建設工事を行う場合に、その労働者及び関係請負人の労働者の作業を一か所で行うときは、特定元方事業者及び関係請負人が行う避難等の訓練について、その実施時期及び実施方法を統一的に定めて、これを関係請負人に周知させなければなりません。

② 特定元方事業者及び関係請負人は、避難等の訓練を行うときは、統一的に定めた実施時期及び実施方法により行わなければなりません。

③ 特定元方事業者は、関係請負人が行う避難等の訓練に対して、必要な指導及び資料の提供等の援助を行わなければなりません。

周知のための資料の提供等

 建設業の特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業を一か所で行うときは、その場所の状況(労働者に危険を生ずるおそれのある箇所の状況を含みます。)やその場所で行われる作業相互関係等に関して、新規入場者(その場所で新たに作業に従事することとなった関係請負人の労働者)に対して周知させるために、その関係請負人に対して、その周知を図るための場所の提供や周知を図るために使用する資料の提供等の措置を講じなければなりません。
 ただし、特定元方事業者が、自ら関係請負人の労働者にその場所の状況、作業相互の関係等を周知させるときは、この限りではありません。

報告

 特定元方事業者(次の分割発注の場合を除きます。)は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が一か所で行われるときは、その作業の開始後、遅滞なく、次の事項を管轄労働基準監督署長に報告しなければなりません。

  1. 事業の種類、事業場の名称、所在地
  2. 関係請負人の事業の種類、事業場の名称、所在地
  3. 統括安全衛生責任者を選任しなければならないときはその旨と統括安全衛生責任者の氏名
  4. 元方安全衛生管理者を選任しなければならないときはその旨と元方安全衛生管理者の氏名
  5. 店社安全衛生管理者を選任しなければならないときはその旨と店社安全衛生管理者の氏名

分割発注の場合

① 自ら仕事を行わない建設業又は造船業の仕事の発注者は、一か所で行なわれる特定事業の仕事を2社以上の請負人に請け負わせて作業を行なうとき(分割発注するとき)は、請負人でその仕事を自ら行なう事業者であるもののうちから、特定元方事業者の講ずべき措置を講ずるべき者として1人を指名しなければなりません。

 また、自ら仕事を行わず、建設業又は造船業の仕事の全部を請け負った者で、一か所で行なわれる特定事業の仕事を2社以上の請負人に請け負わせて作業を行なうとき(分割発注するとき)も、同様です。

 この指名は、仕事の主要な部分を請負った者について、あらかじめその者の同意を得て行わなければなりません。ただし、仕事の主要な部分が数次の請負契約によって行われるため請負人が2社以上あるときは、これらの請負人のうち、最も先次の請負契約の当事者である者又はこれらの者が互選した者を指名します。

② 特定元方事業者を指名しなければならない発注者又は請負人は、指名ができないときは、遅滞なく、その旨をその場所を管轄する労働基準監督署長に届け出なければなりません。(この指名がされないときは、労働基準監督署長が指名することとなります。)

③ この指名がされたとき、指名された事業者は、その場所においてその仕事の作業に従事するすべての労働者に関して、特定元方事業者の講ずべき措置を講じなければなりません。

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